タオルの知識

◆タオルの種類とサイズについて
◆タオルの製造工程による分類
◆タオルの性質やお手入れに関する様々な疑問Q&A

〈タオルの種類とサイズについて〉


タオルとは主に「水を吸い取るための布」で私たちの生活の中で日常的に使われています。タオルは用途を基準として呼び名が付けられています。

■ フェイスタオル
洗顔や入浴等でもっとも一般的に使用されるタオルです。幅30〜35cm、長さ80cm前後のものが多くなっています。
■バスタオル
湯上がりに体を拭くときに使います。幅60〜80cm、長さ110〜150cm程度です。一回り大きい大判バスタオルや逆に一回り小さいコンパクトなサイズなどもあります。
 

 
■ハンドタオル
片手に持てる小さいサイズで、ウォッシュタオル(洗う)・タオルハンカチ/ハンカチタオル(手拭き・汗拭き)オシボリタオル(濡らして使用)、タオルチーフなどの総称です。幅、長さともに35cm以下のものが多いです。
■ タオルハンカチ/ハンカチタオル
ハンドタオルの中で、ハンカチとして使用するものをさします。20〜30cm角で様々なデザインを凝らしたものが多数あります。
■ スポーツタオル
運動時等の汗拭きや洗顔など比較的多くの水分を吸収する用途で利用します。幅35~45cm、長さ90~130cm程度のものをいいます。
 

 
■このほかにも、クビに巻いて使用するマフラータオル、海やプールで使うビーチタオルなど様々な種類があります。
タオルの機能や規格などからの用途分類以外に、次のような呼び名があります。
■ ギフトタオル
タオルを箱入れやラッピングして、贈答用にしたタオルパッケージを言います。
■オリジナルタオル
チーム、学校、団体等のイベントや記念品として独自のデザインを施すタオルを言います。業界では「名入れ」という用語が利用されます。
■ラップタオル
タオルに紐、ゴム、ボタンなどを付けて、体を覆う衣類とするものを言います。

〈タオルの製造工程による分類〉

タオルはその製造方法によって分類することができます。

織り方による分類

■先晒し(さきざらし)・後晒し(あとざらし)
タオルは製造工程により先晒しと後晒しの2つに分けることができます。”晒し(さらし)”とは、糸についた不純物を取り除き(精錬)、白く漂白する工程のことです。タオルを織る際に糸切れを防ぐためにつけた糊(のり)や、材料である綿糸にもともと付着している油分や不純物をきれいに取り除く工程です。
その”晒し(さらし)”をタオルを織りあげる前に行うのが「先晒し」、後で行うのが「後晒し」です。
先晒し、ということは先に晒した糸に色を染め上げてから柄を織り上げるジャガード織りで用いられます。ジャガード織りは国内では愛媛県今治市で多く製造されており、異なる色糸で柄を織り上げる「毛違い(けちがい)ジャガード」やパイルの凹凸で柄をみせる「あげおちジャガード」などで柄を表現します。パイルの密度で柄を表現するため、ボリューム感がある風合いのものが多いです。
 
  
 
後晒しは生地を織り上げてから晒し、色をつけるので、仕上がりはカラータオルになります。後晒しタオルは大阪泉州が産地で、最後に洗い上げるため清潔で使い始めから吸水性が高いのが特長です。ジャガードタオルよりも薄手で使いやすいものが多いです。

表面加工による分類

■パイルタオル
タオル織と呼ばれる織り方でループ状の糸が特長です。ループがあることで吸水性がよく、タオルの最も基本といえる織り方です。
■シャーリングタオル
パイルの表面をカットしたものをシャーリングタオルと言います。カットの度合いに応じて、「半(セミ)シャーリング」、「全シャーリング」があります。ビロードのような肌触りとツヤ感が特徴です。ループが切断されているため引っ掛かりが少ないのですが、パイルに比べると少し吸収力が低下します。
■ プリントタオル
柄やイラスト等をタオル生地にプリントしたタオルを言います。プリントの方法は様々あり、色々なデザインが楽しめます。シャーリングタオルにプリントするとパイルタオルよりも細かくきれいに柄が表現できます。
 
  

原料糸による分類

■ 無撚糸タオル
糸は通常「撚り(より)」をかけて強度を保ちます。撚りの程度により、柔らかく/固く感じたり、温かく/涼しく感じます。無撚糸タオルは、撚り(より)の少ない糸で織り上げたお肌にやさしいタオルです。フワフワで柔らかい肌触りと保温性に優れていることが特長と言えます。
■オーガニックコットン
オーガニック・コットン(有機栽培綿)とは、3年間農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わないで生産された綿花のことです。栽培に使われる農薬・肥料については厳格な基準が設けられており、認証機関が実地検査を行っています。
オーガニック・コットンは、紡績、織布、ニット、染色加工、縫製などの製造工程を経て、最終製品となります。この製造全工程を通じて、化学薬品による環境負荷を最小限に減らして製造したものを、オーガニック・コットン製品といいます。

タオルの性質やお手入れに関する様々な疑問Q&A

(タオルの洗濯の仕方について)

Q 洗濯時に、ほかの洗濯物にタオルからの「毛羽」がつくことがありますが、これを妨げる方法はありますか?
 
A 「毛羽落ち」「ほこりの発生」を少なくするために、タオルは単独で、たっぷりめの水で洗うことをおすすめいたします。
タオルは数多くの綿糸を束ねて撚りをかけた糸でできております。洗濯の仕方にもよりますが、一般には水の少ない状態で大量にいろいろなものと一緒に洗濯した場合は、ループ状になった部分(パイルと呼びます)などから、小さな短い繊維が滑脱して他の衣料品についてしまったりする、「毛羽落ち」がおこることがあります。
こうした状況を起こりにくくするためには、お洗濯するときは単独洗いで、屑取りネットを使用しながら、たっぷりめの水で洗濯すると、こうした「毛羽落ち」や「小さなほこり」の付着を少なくすることができます。
 
Q タオルの洗濯時に使用する洗濯用洗剤や石鹸ですが、それぞれの特徴を教えてください。
 
A 市販されている洗剤類は、おもにおしゃれ着、ウール素材、デリケートな素材に使用される中性洗剤と、日常的な汚れを落とすのに向いている弱アルカリ洗剤があります。また、種類も、粉末洗剤、液体洗剤、ジェルボール洗剤、固形(石鹸)洗剤にわかれていますので、洗剤の機能に注意しながら、商品の特徴に合わせて、上手に使い分けをすることが望ましいです。
各々の洗剤のメリット、デメリットは以下のとおりです。
 

  1. 粉末洗剤(主として弱アルカリ性洗剤)
    <メリット>

    1. 洗浄力が強く頑固な汚れに最適(特に皮脂の汚れ、汗染み、泥汚れなど落とすときに役立つ)
    2. 白の衣類・タオルなどを洗う時におすすめ
    3. コストを抑えられる
    4. 大量の洗濯が可能

    <デメリット>

    1. 水に溶けにくい
    2. 色・柄の付いた衣類を傷めてしまう
    3. 節水には不向き
  2.  

  3. 液体洗剤(主として中性洗剤)
    <メリット>

    1. 優しく洗濯することができ、生地を傷めず洗うことができる
    2. 水に溶けやすい
    3. すすぎは1回で済み、節水・時短になる

    <デメリット>

    1. 粉末洗剤に比べると洗浄力は劣る
    2. 粉末洗剤より少し高い
    3. 詰め替えの手間がかかる
    4. 粉末よりも減るのが早い
  4.  

  5. ジェルボール洗剤
    <メリット>

    1. 泡立ちを促す成分が配合され、洗浄力は粉末洗剤に近いです。
    2. 1回の洗濯に1個入れるだけ
    3. すすぎが1回

    <デメリット>

    1. 耐熱注意(夏場保管場所に注意:洗剤が溶け出す可能性があります)
  6.  

  7. 固形(石鹸)洗剤
    <メリット>

    1. 天然由来の成分で作られた洗剤
    2. 基本的に弱アルカリ性で肌や環境に配慮されて作られている
    3. 柔軟剤なしでも、ふっくらと仕上がる
    4. 肌トラブルを改善するのにも役立つ

    <デメリット>

    1. 洗濯機に汚れが溜まりやすい
    2. 値段が高い
    3. 大量の衣類をせんたくするのに不向き

 
Q 洗濯時には、柔軟剤を使用しないほうが良いといわれていますが、理由な何でしょうか?
 
A 柔軟剤を入れて洗濯すると表面はふわふわに柔らかく仕上がります。一方で、柔らかくする成分である「陽イオン性界面活性剤」がタオルの表面を「コーティング」する状態になり吸水性が悪くなります。また、糸一本一本がコーティングされ滑りやすくなることで、「毛羽落ち」などが起きやすくなることがあります。
 
Q 洗濯後にタオルをみると、表面に黒ずんだ汚れが残ってしまいました。どのように除去したら良いでしょうか?
 
A 洗濯洗剤ではすべての汚れを100%落とせるわけではありません。わずかに残った汚れが蓄積し、黒ずみとして目に見えるようになるが場合があります。また、長時間よごれた状態、湿った状態が続きますと、黒カビなどカビの繁殖も見られるようになり、洗濯だけではなかなか取れなくなります。
このようなガンコな汚れを落とすためには、洗濯前に一定時間浸け置いて、それから洗濯する方法が有効です。また、洗濯する前に煮沸してカビや菌などを殺菌してから洗濯するという方法もあります。

ご参考

「浸け置き洗い」・・・お湯で溶かした洗剤を浸しておく」だけ

  1. 洗浄液を用意(40℃のお湯、水量に合わせて洗剤を溶かす)
  2. タオルを浸け置きする(約30分ほど)
  3. すすいで洗濯

「煮洗い」・・・煮洗いの洗浄力はかなり高く、カビなどが繁殖してしまった場合でも消毒できます。(捨てる前の最終手段)

  1. 鍋に洗浄液を作る
  2. タオルを入れ煮る(弱火で5分~10分ほど)
  3. 取り出す(火を止め、冷めるまで待つ)
  4. 洗濯

(タオルの乾かし方について)

Q タオルの乾かし方でおすすめの方法はありますか?
 
A 風通しの良い日陰の場所で干して乾かしていただくことをおすすめします。
日光を当ててタオルを乾かすのは、乾燥時間の短縮になります。日光に含まれている紫外線は殺菌効果も有り、雑菌の繁殖を防ぐことができます。但し、長時間紫外線に当てていると繊維が劣化し、タオルが硬くなってしまいます。タオルを長持ちさせるためにも、風通しの良い日陰の場所で干すことをおすすめします。
また、干す前に、軽くパタパタと数回~10回程度タオルを揺らすように振ることをおすすめいたします。これは洗濯や脱水で水分を含んで寝てしまっているパイルを立ち上げ毛並みを揃えることで、通気性が良くなり、乾燥時間も早まる結果となります。干す際にも、半分に折って干すのではなく、長さも非対称にして、できるだけ空気に触れる面積を増やすことをおすすめします。
 
Q タオルを乾かす際、乾燥機の使用のメリット、デメリットを教えて下さい。
 
A 乾燥機の使用目的は「早く乾かすこと」です。メリットとして、乾燥時間の短縮が図れるほかにも、高温になるために「生乾きの嫌な匂い」原因となる「モラクセラ菌」やダニなどを退治することができます。また空気の膨張効果で、仕上がりがふわふわしたものになります。
一方で、乾燥機の購入代金や使用電気代が高くなってしまうことなどの経済的デメリットに加え、乾燥中に激しく撹拌するために、繊維がしわになったり、傷んだりすることもあります。また、長時間高温で乾燥するために、タオルの特徴上、縮みの原因となることがあります。